中学生ソバジマ 東海村原子力発電所へ行く!の巻 後編
東海村原子力発電所。
どこまでも青い空と、人一人いない大きな道路が今でも印象的だった。
N君そっくりのおじさんの車に乗せられ、原発施設に向かう途中のイメージ。
東海村原子力発電所、茨城県那珂郡東海村にある日本で最初の、そして東京に最も近い商業用原子炉だ。
なので実験炉的性質が非常に高く、日本の原子力の礎的存在である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
N君「うひょー!ワクワクするね!」
俺(しねーよバカ!放射能で死んじまえ!)
と心にもないことをつぶやきながら到着。
実験炉的性質ゆえ、ちゃんと見学施設(じぇじぇ!洗脳施設だ!by中学生ソバジマ)が用意されていた。
これが今でもある「東海村テラパーク」なのだ~!
http://www.japc.co.jp/gendenkan/tokai/
「こんにちわ!一緒に原子力の勉強をしよう!」
青い作業服を着たインテリ眼鏡のおじさん登場。
どうやら色々説明をしてくれる模様。
うわーなんか目がキラキラしとるわ~。
核融合と核分裂の違い。
核分裂でなぜ放射線を放出するのか?
放射性同位元素についてなど、(説明するのがめんどいので各自調べてくれ~)
展示を見ながらわかりやすく説明してくれる。
最終処理場についての展示。
キラキラ☆インテリ男子(おじさん)「高レベル廃棄物は地下深くに保管されるんだ!放射線を出しなながら崩壊していくうちに、別の物質に変わるんだよ」
(これは本当の話。不安定な分子ゆえに安定を求めて放射線を出しながら別の物質に変化していく。ウランからプルトニウムやらストロンチウムやらヨウ素やらできるのはそのため。その分裂による熱エネルギーを発電に使ってるわけですね~)
インテリ「だから、いずれ
金
なんかできちゃうかもしれないね!」
N君「すごーーい!お金持ちだ!」
俺(出来るわけないだろ!できるまで超危ねーよ!死ね!)
そんなこんなで(おじさんは始終完全に空気だった)科学的な内容と、理想論を織り交ぜた説明をうけつつ実際の作業施設も見学していった。
インテリおじさんから溢れ出す、「我が科学力は世界一っ~!」という自信、う~ん子供ながらちょっと宗教ぽさを感じてしまったわ・・・・。
(まあ反原発どっぷりの人も似たようなもんか。)
帰宅後。自由研究のため、僕とN君は大きな模造紙に原発のメリット、デメリットを、図を交えながら描いていった。
発表の日、N君が原発の明るい未来を語った後、僕が問題点を語る。
その二つを踏まえながら原発を考えていこうと締める。
成功だ。
先生にものすごく褒められたのを覚えている。
今思うと、この時の担任の先生が中立的にきちっと物事を見ていたんだな~と。
偏った思想の人だったら、どちらかに肩入れして大人気なく非難していたかもしれない。
(それは僕かN君かはわからない)
教育とはイデオロギーの押し付けではない、多角的、客観的に考えることを教えてくれたのだろうか・・・。
N君は同じ年に転校してしまった。
最初のうちは手紙の交換をしていた気もするが、徐々にお互い忘れていった。
もう面識はないが、いい友達だったと思う。
「東海村JCO臨界事故」
その約10年後、東海村であの悪名高い事故が起こる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85
(作業員が放射線物質をバケツリレーし被爆した死亡事故。悲惨かつグロ満載なため検索してはいけないキーワードである。)
N君と、彼とそっくりな親族は今も元気だろうか・・・。
そして更に重大な原発事故が起きた現在、心の片隅で心配せずにはいられないのである。